The Human Condition 2009 「RESPECT 祖先たちの偶像」


2009年11月21日-12月19日 タグチファインアート






鴨形仮面を被った土偶頭部
ユーゴスラビア ビンチャ 前5千年紀後半





地母神像胴部
ギリシア 新石器時代 前5000-3000頃





眼の偶像
テル・ブラク(シリア) 前4千年紀





地母神像
北シリア 前二千年紀







タグチファインアートでは、人間の本質的・根源的欲求から生み出された美術を、時代や地域にとらわれることなくご紹介するシリーズを「The Human Condition」と題し、機会あるごとに展覧会をおこなっております。第1回の「ジャガーの子どもたちーオルメカの美術」展に続き、第2回目の今回は古代の地母神(じぼしん・ちぼしん)と偶像をとりあげます。



出品される神像や偶像は、地域的にはイタリア、ギリシアからバルカン半島、アナトリア(現在のトルコ)、シリア、イラク、インダス渓谷まで、地球表面の約13パーセントに及ぶ広大な範囲から集められています。時代的には、紀元前六千年紀から紀元前一千年紀前半までという長大な時間のなかで生み出された像たちで、現在まで大切に伝えられてきたものです。


発掘品であるため完全な形で残されているものは稀であり、発掘当時に稚拙な技術によって断片が単純に接合されているだけのものも含まれています。現在の技術をもってすれば、判別できないように修復することも充分可能ですが、今回出品されている偶像たちの多くには敢えてそうしたことがなされていません。それは、これらの偶像がたどってきた歴史に対する敬意、それらに関わってきた人々の想いに対する敬意、土偶や石像に精神性を感じ取り、たとえ壊れていても古いものを大切にし後世に伝えようとする人々の気持ちの連鎖に対する敬意、に基づいています。


今回はアナトリアの地母神像や石偶、ギリシア・テッサリアの土偶など約50点を展示、1点から販売致します。普段は博物館や美術館でしか見ることのできない古代からの贈り物を間近に見ることのできる本展は、大変稀少な機会となります。ぜひご高覧下さい。