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陳若冰(チェン・ルオビン)スペース・イズ・ザ・プレイス


2022年3月26日-5月21日 タグチファインアート


















































 陳若冰は1970年中華人民共和国生まれ。杭州美術アカデミーで書と水墨画を学んだ後、1992年に渡独、1998年にデュッセルドルフ美術アカデミー、G. グラウブナー教室を修了しました。現在はドイツ、デュッセルドルフと中国、北京にスタジオを構え制作活動を続けています。

 初個展は1998年にメーアブッシュのコンラド・ミュンター画廊で開催。2006年には中国浙江省嘉興市に彼の作品と中国の古美術品のみを展示する陳若冰美術館「House of Light 光の家」が開館しました。同年日本では資生堂ギャラリーにおける「An Existence 素景」展にも出品。これまでドイツ、オランダ、中国、韓国、日本の画廊で定期的に個展を開催し、ドイツや韓国、中国の美術館での個展やグループ展にも数多く参加しています。近年は中国の美術関係者やコレクターたちの抽象絵画に対する関心が高くなるにつれ、彼の作品が中国の美術館で展示される機会が非常に多くなってきました。ドイツやオランダ、中国、韓国、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアのアートフェアにも出品、ジョセフ・アンド・アニ・アルバース財団など幾つかのレジデンスプログラムにも参加し、その活動は国際的です。作品は上海美術館、湖北美術館(武漢)、クンストパラスト美術館(デュッセルドルフ)をはじめ、さまざまなコレクションに収蔵されています。     

 陳若冰の仕事は、彼が渡欧前に身につけた中国絵画の伝統や道教・儒教・仏教などの中国思想と、西欧近代を作品のなかで統合しようとする試みです。 幾何学的形態を不規則に反復して描きくことで生まれる「地」と「図」の等価関係、浅い奥行きによる装飾的ともいえる絵画空間、水墨画を思わせるアクリル絵の具の微妙な滲み、正方形と円形という極めて簡潔な形態による画面構成、画面内奥から作品外部に向かって溢れ出るかのような形而上学的な光、深い精神性を湛えながらもどこか楽しげな形態と色彩、これらによって陳若冰はとても魅力的で瞑想的な作品を生み出しています。生涯の半分以上をドイツで生活している現在、西欧文化のなかで制作する中国人画家というその基本的な立場は変わりませんが、陳若冰は中国絵画と西洋近代絵画の対立という構図を飛び超え、独自のスタイルを獲得しています。

 今回の展示はタグチファインアートでの11度目の個展となります。ぜひこの機会にご高覧下さい。




出品作品


1. 無題, 2021, アクリル・キャンバス, 70.0 x 70.0 cm

2. 無題, 2016-21, アクリル・キャンバス, 120.0 x 120.0 cm

3. 無題, 2018-21, アクリル・キャンバス, 60.0 x 60.0 cm

4. 無題, 2018-21, アクリル・キャンバス, 120.0 x 120.0 cm

5. 無題, 2019, アクリル・キャンバス, 21.0 x 21.0 cm

6. 無題, 2017-20, アクリル・キャンバス, 34.0 x 31.2 cm

7. 無題, 2015-21, アクリル・キャンバス, 24.0 x 21.0 cm

8. 無題, 2019-21, アクリル・キャンバス, 25.0 x 22.0 cm

9. 無題, 2019, アクリル・キャンバス, 21.0 x 19.0 cm

10. 無題, 2019, アクリル・キャンバス, 31.3 x 31.3 cm

11. 無題, 2017-21, アクリル・キャンバス, 60.0 x 60.0 cm

12. 無題, 2021, アクリル・キャンバス, 70.0 x 70.0 cm