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フランク・ゲアリッツ 「ミニマル・ポップ」


2017年10月7日-11月11日 タグチファインアート








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 タグチファインアートでは、フランク・ゲアリッツ作品の展示を、上記の期間約5週間にわたって行います。

 フランク・ゲアリッツは1964年ハンブルク近郊、バート・オルデスロー生まれ。現在ハンブルクを拠点に、ヨーロッパとアメリカで定期的に作品を発表しています。その作品はヴェサーブルク美術館(ブレーメン)、ハーグ市立美術館、ポントワーズ美術館、パンザ・コレクション(ヴァレーゼ)、ナショナル・ギャラリー(ワシントンDC)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、メニル・コレクション(ヒューストン)等、多くの美術館、個人コレクションに収蔵されています。

 ゲアリッツは、抽象的・幾何学的な言語によって作品を制作している今日の作家のなかで、最も重要な作家のひとりです。ゲアリッツの作品はミニマリズムやコンセプチュアルアートの道を遡るものに見えますが、そこで重要なのは、個々人の生き生きとした知覚に関わる性質です。鉛筆のストロークや刷毛の跡、周囲の状況に応じて変化する佇まいなど、彼の作品は表面的な見かけよりも実に深淵であり、美術史の議論に対しても常に多様な引用と見解との複雑な織を提供しています。


案内状/オークション

 「案内状とオークション」のシリーズは、彼の元に送られてくる展覧会の案内状やオークションカタログの頁の一部を黒いペイントスティックで塗りつぶした作品です。アルミニウムの作品から派生したシリーズで、ペイントスティックのストロークや刷毛痕、幾何学的な構図が共通しています。世界的に著名な作家たちの作品図版に手を加えることで、ユーモラスでウィットに富んだ作品を生み出しています。いっぽうで、オークションに頻繁に出品されるような作品はお金と密接に結びついているため、現代美術とコマーシャリズム、マネーの関係を扱うシニカルな作品でもあります。2010年にはブレーメンのヴェーザーブルク現代美術館で、このシリーズのみで個展が開催されています。


ミニマル・ポップ

 タグチファインアートで4度目の個展となる今回は、「案内状とオークション」の作品のみで展示構成いたします。さらに本展では展示作品をアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタイン、ジャン・ミッシェル・バスキアなどポップアートの作品やそれをルーツに持つ作品に絞ります。見慣れたポップアートの作品たちが、ゲアリッツの手によりどのようにミニマルアートに変貌させられているか、愉しくご覧頂けましたら幸いです。



なお、初日10月7日(土)17時より19時まで、この機に来日する作家を囲み、ささやかなレセプションを行います。







出品作品

1.
イン・ザ・カー, 2014
ペイントスティック・印刷物
2枚組, 各29.5 x 21.5 cm

2.
自画像 (アンディ 赤), 2011
ペイントスティック・印刷物
28.2 x 21 cm

3.
花, 2016
ペイントスティック・印刷物
31 x 23 cm

4.
ブリジット・バルドーの肖像, 2013-17
ペイントスティック・印刷物
29.5 x 21.7 cm

5.
ココ, 2017
ペイントスティック・印刷物
32.2 x 21.5 cm

6.
自画像 (アンディ 青), 2011
ペイントスティック・印刷物
29.5 x 21.7 cm

7.
エルビス, 2016
ペイントスティック・印刷物
30 x 23 cm

8.
泣く少女, 2016
ペイントスティック・印刷物
29.5 x 22.5 cm

9.
リボン, 2015-16
ペイントスティック・印刷物
26.7 x 20.2 cm

10.
点 I, II, 2015
ペイントスティック・印刷物
2点組, 各23.5 x 19 cm

11.
リズ, 2012
ペイントスティック・印刷物
29.5 x 21.5 cm

12.
2人の金色のモナリザ, 2009
ペイントスティック・印刷物
2枚組, 各29.5 x 22.5 cm

13.
ダラー・サイン (ローズ), 2016
ペイントスティック・印刷物
24 x 19 cm

14.
3枚の自画像 (アンディ), 2016
ペイントスティック・印刷物
3枚組, 各29.5 x 22.5 cm

15.
ルイ・ヴィトン (黒), 2016
ペイントスティック・印刷物
20 x 20 cm