イングリット・ヴェーバー 「Farbmittel」


2004年11月6日-12月18日 タグチファインアート
















































 イングリット・ヴェーバーは1961年ドイツ、オーバーマウバッハ生まれ。1991年にデュッセルドルフ美術アカデミーで ヤン・ディベッツによりマイスター・シューラーを取得。2000年にはエルンスト・ポンスゲン協会から奨学金を受け、1年間ニューヨークに滞在。現在はデュッセルドルフを拠点に活動しています。




微細な顔料の粒子ーファルブミッテル (Farbmittel)

 ドイツ語でファルブは「色彩」を、ミッテルは「物質・材料」を意味します。したがって、ファルブミッテルとは「色の物質、材料」ということになります。具体的には、ヴェーバーが制作に際して使用している「微細な顔料の粒子」のことです。絵画においては一般的に、この「顔料」と、それをキャンバスに定着させるためのニカワやアラビアゴム等の「練り剤」が、色彩表現を実現するための重要な要素となっています。
 ヴェーバーは一貫して、単色かあるいは極めて限られた数の色彩で画面を構成するモノクローム絵画を制作しています。彼女が展覧会に際して、この「ファルブミッテル」という言葉をタイトルとして選んでいるのは、それが彼女の制作しているモノクローム絵画を端的に示す言葉であり、彼女の絵画における探求がそれを通してなされているからです。



 今年7月には目黒区美術館での展覧会「色の博物誌・黄ー地の力&空の力」に出品し、また10月9日から11月28日まで府中市美術館において公開制作を行うなど、彼女の仕事は日本でも徐々に注目されるようになってきました。今回のタグチファインアートにおける展示は、2002年9月の個展に続く日本での2度目の個展となります。カドミウム・イエローを主体にした作品とカドミウム・ブラウンを主体にした作品を展示します。

 初日11月6日(土)、午後6時より作家自身によるスピーチがありました。




出品作品

1.
無題 (cadmium yellow), 1999
油彩・顔料・キャンバス
37 x 37 cm

2.
無題 (varesser green), 1998
油彩・顔料・キャンバス
37 x 37 cm

3.
無題 (c-yellow, vagoner green earth), 2004
油彩・顔料・キャンバス
37 x 37 cm

4.
無題 (c-yellow, v. green), 2001
油彩・顔料・キャンバス
69 x 63 cm

5.
無題 (cadmium brown), 2003
油彩・顔料・キャンバス
45.5 x 45.5 cm

6.
無題 (c-brown), 2004
油彩・顔料・キャンバス
60 x 60 cm

7.
無題 (c-brown), 2004
油彩・顔料・キャンバス
60 x 60 cm

8.
無題 (c-brown), 2004
油彩・顔料・キャンバス
105 x 110 cm