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西村盛雄 「レ−ゼン」2016年5月21日-6月18日 タグチファインアート |
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西村盛雄は1960年東京都生まれ、1985年多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。国内で何度か作品を発表した後、1991年にドイツ政府給費留学生(DAAD)として渡独。1995年にデュッセルドルフ美術アカデミーで G. ユッカーによりマイスター・シューラーを取得しました。1998年から1年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてヨハネス・グーテンベルグ・マインツ大学造形芸術学部文化精神学科に在籍し、宗教と現代美術について研究。その後2年半にわたり同学科に講師として留まりました。2001年には "2001/2002年度クンスト・スタチオン・聖ペーター教会の芸術家" というタイトルを受け、以来ドイツを拠点に制作活動を続けています。 西村が一貫して試みているのは、蓮の葉や実を写実的に再現することではなく、それを手がかりとして人間と自然、世界との関係を探っていくことです。 「生きている葉を写し取る、あるいは再製するという意識はない。蓮の葉をモチーフに制作しているのは、私に輪廻や宇宙などの形而上学的な存在をイメージさせるものがあり、それを直接的にかたちにしている。つまり蓮の葉に似た私の観念の透明な凝固物なのです。」 lesen はドイツ語で「読む」という意味の動詞、頭文字を大文字で表記した Lesen は名詞の「読書」「書見」「拝誦」にあたります。その他には、「講じる」と言う意味もありますが、日本語の語感や使いまわしとあまり大差は無く、「相手の真意を読む」等の「見る」「視る」「観る」に値する意味もあります。今回の展示は「ものの見方」「鑑賞」という行為を問いかける意味で、「lesen」というタイトルが付けられました。彫刻作品に対して「読む」という接し方をした場合には、どの様な見方になるか。「知」と「感」と上手に付き合い、極力自然体で対象を読み、有り様を素直に受け止めると言うことについて焦点をあてたいと作家は考えています。 タグチファインアートで3年振り7回目となる今回の個展では、西村の中心的な仕事である「甘露の雨」のシリーズからブロンズによる作品を展示いたします。もっとも長く制作している蓮の葉をモチーフにした作品に加え、蓮の花托や、種をモチーフにした新たな「忘却」の作品が出品されます。どの作品もすべて、積層したベニヤ板の角を落として滑らかな曲線を得る、という独自の方法によって制作された原型から鋳造されたものです。ぜひご高覧ください。 出品作品 1. 甘露の雨 Zf.B1, 2016 ブロンズ, ed. 3 19.0 x 50.0 x 35.0 cm 2. 甘露の雨 Zf.B2, 2016 ブロンズ, ed. 3 25.0 x 50.0 x 31.0 cm 3. 甘露の雨ー忘却 Zf.B1, 2016 ブロンズ, ed. 3 21.0 x 40.0 x 42.0 cm 4. 忘却ー種子 B1, 2016 ブロンズ, ed. 8 9.0 x 6.0 x 6.0 cm 5. 忘却ー種子 B2, 2016 ブロンズ, ed. 8 9.0 x 7.5 x 7.0 cm 6. 忘却ー種子 B3, 2016 ブロンズ, ed. 8 8.5 x 7.0 x 7.0 cm |