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イヴ・ダナ「フラグメント・オブ・ジェネシス」


2017年11月18日 - 12月22日 タグチファインアート






































イヴ・ダナは1959年エジプト、アレキサンドリア生まれ。1961年に家族とともにスイスに亡命。ローザンヌ大学で社会学を学びながら、1983年にジュネーブ高等視覚芸術学校で学位を取得。1982年にオヴェルニエ(スイス)のヌマガ画廊で初個展を開催して以来、今日までスイスを中心にヨーロッパやアメリカ、シンガポール等で発表を重ねています。現在ローザンヌ(スイス)とピエトラサンタ(イタリア)を拠点に制作。その作品はビルバオ・グッゲンハイム美術館やテルアビブ美術館、また多くの財団、企業、個人コレクションに収蔵されています。


ダナは彫刻の歴史のなかでも最もオーソドックスな素材を用いて抽象的な彫刻を制作しています。そのキャリアの初期には主に鉄を素材に、その後ブロンズや石彫へと仕事の幅を拡げ、現在では石彫を中心に制作しています。素材は変化していますが、一貫しているのは、デッサンやマケットを準備することなく直接素材と向き合い、アシスタントや技術者に任せることなく全ての工程を自らの手作業で行っている点です。


タグチファインアートでは、2011年にケルンのテンポラリー・ギャラリーでのポップアップ、タグチファインアート・イン・ケルンで彼の作品を展示しましたが、東京のスペースでは初めての展示、そして初個展となります。今回は石彫5点とブロンズ彫刻2点で展示構成いたします。日本では1991年に千葉、浦安の国際教育学院で開催された個展以来、実に26年ぶりの作品展示となります。


近年の石彫作品では、必要最小限の加工によって生み出された単純な形態が、古代の工人たちが神に捧げるために生み出した造形を想わせます。原始・始源(ジェネシス)へ回帰するイメージへと私たちを誘うイヴ・ダナ作品をこの機会に是非ご高覧ください。


なお、初日11月18日(土)17時より19時まで、この機に来日する作家を囲み、ささやかなレセプションを行います。



出品作品


1.
ノクターン, 2017年
多色輝緑岩
23 x 55 x 9 cm

2.
思い出, 2016年
ブロンズ, ed. 1/8
69 x 33 x 17 cm

3.
天空の住処, 2009年
エジプト黄色石灰岩
8点の連作のうちの3番
125 x 11 x 11 cm

4.
石の沈黙, 2017年
スペイン緑色砂岩
89 x 24 x 20 cm

5.
もう一つの夢, 2009年
多色タヴェル石
56 x 9 x 8 cm

6.
保留, 2012年
ブロンズ, ed. 4/8
84 x 9 x 4 cm

7.
シャダイ, 2004年
輝緑岩
204 x 30 x 11 cm